去る4月27日、三浦前理事長がご逝去されました。三浦前理事長は新型コロナウィルスが蔓延し多くの制約を受ける中で理事長に就任されました。体調が優れない中、最後まで理事長として同窓会活動にご尽力されました事に敬意を表します。
このような状況の中、6月27日に理事長に就任致しました。小樽商科大学後援会においては様々な課題が顕在化しており、同窓生の皆様と力をあわせ解決に向けて取り組まなければならないことは認識しておりますが、歴代の理事長に比べると力量不足は否めません。同窓生の皆様方のご支援・ご助言をいただきながら務めてまいりますのでよろしくお願いいたします。
小樽商科大学は2022年4月、帯広畜産大学・北見工業大学と経営統合し北海道国立大学機構として新たなスタートを切りました。商学・農学・工学連携による分野融合的な「実学の知の拠点」を形成するとともに産学官金連携によって北海道経済・産業の発展と国際社会の繁栄、持続的な社会の実現に貢献することを掲げており、昨年には「教育イノベーションセンター(ICE)」と「オープンイノベーションセンター(ACE)」が設立されています。
民間企業ではSDGsやパーパス経営など社会課題の解決を経営に取り込み、存在意義・価値を強く意識した事業活動が潮流となっています。商大は教育・研究のあり方だけではなく、持続可能な社会の実現のために役割・責任を明確にし、多様な人材の育成と大学経営の基盤強化に向けた新しい組織として動き始めたと理解をしております。
また、人生100年時代と言われる今日において、生涯を通して学習することのニーズも高まっております。社会人が仕事と学習の場を行き来するのは当たり前の時代となりましたが、仕事を離れてからも学習を続ける方々が増えていくと思っております。商大はまさにその学習・教育の環境やプログラムを提供してくれる大学となるようです。同窓生の皆様にとっても学習を続ける良い機会になるではないかと期待しております。
我が小樽商科大学は1911年創立から114年目に入っております。社会科学系の単科国立大学として多くの人材を輩出してきました。小規模ではありますが、小規模ゆえに結束力や一体感があり、そこで学び・培った事が社会生活において強みとなって発揮された方も多いと思います。長い歴史の中で築き上げたこの伝統は今後も引き継がれると思いますし、引き継がれる限り、北の一星として輝き続けると思っています。
機構化により、商大生は商学に軸を置きながら農学や工学に接する機会が増え、ネットワークも広がり、多様性ある人材が育成されると思います。国内外、分野を問わず活躍する人材が多く輩出されることを期待しています。
小樽商科大学後援会は昭和35年開設以来、学生支援のための大学への助成を主な活動としてまいりました。大学が大きく変革する中、学生や大学が期待する支援・助成の内容も変わっていく事が予想されます。同窓生の世代間のアンバランスという課題を含め、同窓生の皆様の声に真摯に耳を傾け、後援会のあるべき姿を見つめ直し、その具現化に向けて活動を進めてまいりたいと考えております。
先日、理事長就任にあたり40数年振りに商大を訪問しました。私が通っていた時代からは大きく様変わりし、近代的な建物に囲まれたキャンパスは学生にとって魅力的なものになっているようでした。
私は地獄坂から見下ろす小樽の街が好きで、今回久しぶりに街を眺めることができました。小樽は当時と比較すると人口は減少していますが観光客は増えており、小樽運河は国内外の多くの観光客を魅了しているようです。学生時代、1978年・1979年に開催されたポートフェスティバルの運営を手伝いました。小樽運河と石造倉庫群の保存を訴える方々やお祭りを楽しむ人たちで大変な盛り上がりをみせたのですが、あの小樽運河がこのようになるとは当時夢にも思っていませんでした。
小樽という街、そこに暮らす人々、そして商大・学生が本当に良い関係で繋がっていたことを思い出しました。かけがえのない街、我が街エスカール。
昭和32年札幌で生まれる。札幌北高から昭和51年に小樽商科大学に入学、昭和55年経済学科を卒業して雪印乳業(現 雪印メグミルク)に入社。和田ゼミ、フォークソング部でギターを弾いていました。
以上